ーガンッ!!
「っ………く…」
何かにぶつかり、私たちはようやく止まる事ができた。
そっと体を起こそうとして、体が動かせない事に気づく。
「生きてるか……?」
すぐ近くでルークの声が聞こえた。
顔を上げると、頭から血を流して笑うルークと目が合う。
よく見ると、ルークが私を抱き締めているのに気づいた。
まさか、ルークは私を庇って…………?
数メートルとはいえ、結構な高さがあった。
その衝撃から私を守るように、抱き締めて………
「ル、ルーク………そんな、大丈夫!?」
血が流れてるっ………私の心配なんかしてる場合じゃないのに…
どうして、辛いのに笑うの??
「このくらい平気だ。それより、早く逃げるぞ」
ルークは立ち上がるが、左腕を痛めたのか、左腕を庇うように立ち上がる。
「ルーク、腕…………」
「大したことねぇから。ほら、行くぞ」
ルークは私の手を引いて走り出す。
その背中を、ただ見つめる事しか出来なかった。