「これ………は………」
私は、どうなっちゃったんだろう。
この翼は………なに?
自分の体の変化に戸惑いながらも、私はルークを見つめる。ルークの体も、私に触れるだけで宙へと浮けるみたいだ。
「熱くない………なんだ、これ……。すげぇ、眩しい…」
ルークは驚いたまま私を見上げる。
この炎、本当に熱くないんだ………
でも、こんな、人間じゃないみたいで…怖い。
「おい、大丈夫かよ?」
顔を強ばらせた私に、ルークは心配そうな顔をする。
そうだ、今は、不安がってる場合じゃない。
私の目の前には、ルークがいる。
「怖い………だけど!!」
これが一生分の奇跡なんだとしたら、何でも利用して、ルークと二人で助かるんだ!!
意志を強くもち、ルークの手を掴む。
私の手をひいてくれたように、私も、この人の手をひいて、ここからなんとしても逃げなきゃ!!
「ルーク、行こう!!」
「うおっ!!?」
ルークの、手を掴んだまま、私は翼をはためかせ、いばらから逃げる。
『逃がさない…絶対にな』
すると、目の前からいばらが襲いかかってきた。