「お前、自分のが危ないってのに、俺の心配してんな。それに、あなたじゃなくて、ルークだって言ってんだろ」

「ルーク……」

「お前は?暁の姫ってのは名前じゃないだろ」


差し出された手に、私はそっと触れた。


『いいから、走れって!』


また………頭の中で声が………
それに、この手の感覚……どうして、懐かしいなんて、思うんだろ…


「雫……佐藤、雫…」


そうだ、私は佐藤 雫。
暁の姫なんて、良くわからないけど、ただの高校生だ。