終わった途端に…

ガンッ

「流那!ほら行くよ!」

「え…?」

私は状況が飲み込めないまま、親友の新谷花恋に引っ張られる。

「流那忘れたの?
大翔見に行くって約束したでしょ!」

たいと…?
そんな話いつしたかなー…。
んーんー。

「あぁ!朝したね。
なんだっけ、彼氏だよね?」

「そうそう!
ほら!もうすぐだから!」

花恋は階段を降り、渡り廊下に強引に私を引っ張った。

そこにいたのは、坊主の大群。

へー。花恋の彼氏は野球部かぁ。
野球部ねぇ。ふーん。

「って!野球部じゃん!」

「あれ?言わなかった?野球部の先輩って。」

うそ。聞いてなかった。
野球部は色々とお世話になってる。
いろんな意味で。

「へー。野球部ですか。
あの人達、雨で中練の時に、私の脱げた靴を男子トイレに突っ込んだ人達なんだけど。」

そう。
外で部活が出来なかった場合、室内練習となる。

それは、私が所属する部活だけでなく、サッカー部やテニス部、野球部も同じだ。

部活ごとに校舎の割り振りが決まっており、私が所属するソフト部は、野球部と同じ3階を使う。

そこで、私の悲劇は始まったのだ。