「流那ちゃん、起きてー。
時間よー。起きられそう?」

ん…。
もう終わったのか…。

「あ、はい。
大丈夫です。」

10分くらいしか時間はなかったが、充分だ。
はぁ…。本当疲れたな…。

「失礼しまーす。
流那いますかー?」

花恋の声だ。
迎えに来てくれたのかな…?

「すいません、先生。
ありがとうございました。」

「あ、流那ちゃん。
ごめんね、名前書いてってくれる?」

「あ、はい。」

とりあえず、何も考えず授業頑張ろう。
花恋は恐らく気付いてる。

私が保健室に来た理由。

名前や症状を書いてると、来客者が来た。
今とても来て欲しくない人が。

「失礼します。
怪我したんで来ましたー。」

そう。

海音先輩だ。
あ、あと大翔先輩。

私と海音先輩はしばらく目が合っていた。
だが、私が耐えきれず目をそらす。

そそくさと名前を書き終え、保健室をあとにした。

「あ、流那!待ってよー。」