「…田。おい真田!」
私を呼ぶ大声。
はっと目を覚ます。
そして声の主を見ようとした瞬間…。
ペシッ!
「あだっ!」
教科書で叩かれた。
「お前、寝るな!
授業中だぞ!」
「…え?
あぁ。はい。」
どうやら私は寝てたようだ。
周りはそんな私を見て笑ってる。
「真田…。
お前、数学できないんだからよぉ、やれ!
今日居残りな!」
「は?
部活ある、部活あるー!
居残りとかしてらんない!」
がはははっと笑いがおこる。
だけど私は部活に行かなきゃならない。
新人戦前で忙しいのだ。
「わかるけど真田な…?
お前の数学の成績はどうなんだ?
悪いだろ?」
「いやっ、そうだけど…。
他の教科はそこそこだし…。
それにっ、ほらっ!新人戦前!」
そう。私は数学ができないのだ。
他の教科は優秀なんだけど、どうもできない。
「んー、もう仕方ない。
新人戦終わったらみっちり居残りだからな!」
「はーい。」
居残りとかまじだるー。
数学もできればいいのになぁ。
そんなことを考えてたら、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。