そんな私を見て、先輩はクスクスと笑ったんだっけ。

この時"見ているだけで幸せ"が"先輩の隣を歩きたい"に変わった瞬間だったんだと思う。




先輩…

私の気持ちちゃんと知ってた?




それから会う度に、私は一生懸命に先輩に挨拶して、アピールした。

先輩もそれにちょっとは答えてくれてたんだと思う。

だっていつも最高の笑顔を私にくれていたから。




あの笑顔が最高だなんて、スレ違う時の先輩しか知らないから分からないけど、私にとっては最高だった。とっても。




嬉しさに、楽しさに、幸せに満たされていく私の心。本当に…好きだった。本当に、すっごく。




奈美に背中を押されたバレンタインデー。私は思い切って、人生初の恋心を先輩にぶつけてみた。

最初は"告白なんてしても、先輩みたいな人は私の相手なんかしてくれない。"そう思ってた。

思ってたけど、どこかで、"オッケーしてくれる。"そんな欲望が私の心を少し占領していた。