先生の足音が近づく音がして俺は慌てて手を離した






って!俺何してんだよ!





心の中で1人焦ってる俺のことなんて知る由もない先生は叶愛の頭の下に水枕をしいた







「軽い脳しんとうね
時間がたてば意識が戻ると思うわ」







「そ、そうですか……」






「それにしても一ノ瀬君があんなに焦って誰かを運ぶなんて初めてじゃない?」







先生は微笑みながら言った







「べ、別にたまたまですよ!」







図星をつかれた俺は声が大きくなってしまった







先生はついに声に出して笑い出した