なんだよ、くるなって。 ただ転んだだけならいいけど。 その声はゆらりとゆっくり起き上がり、立ったと思ったらまたばたんと倒れこんだ。 「おい、大丈夫か!」 重症なのだと思い、走ってかけよる。 ずっと暗闇のなかにいたからわからなかったが、その声の主は 髪がとても長く、体は細く、そして 血の匂いがした。