「なんで、あんたがそんな顔するの?」


泣きたいのは私の方だよ?

橘は私の前まで来ると、少し屈んで

私の耳に息をかける。



「ひゃ。」


「俺と同じ方向に進んでほしくない。」


そんな言葉を残して彼は


屋上から出て行った。