「仕方ないわね、陰で休んでなさい」
「申し訳ございません...」
坂本はふらふらとした足取りで、木陰へと向かう。
全く...今にも倒れそうじゃない。
一つため息をついて、砂浜の上を歩く。
このビーチは広いから、まだまだ遠くまで行けそう。
ちょっと向こうの方まで行ってみようかしら。
好奇心を抑えきれずに、陰でダウンしている坂本へ呼びかけた。
「坂本ー、私ちょっとお散歩してくるわ。
すぐに戻るから、そこで待ってて」
「はい...」
弱々しい声。
もう、せっかくの旅行なのにつまらないんだから。
ちょっとくらい私の相手をしてくれたって良いのに...
半分ヤケクソになりながら、海に沿って歩いた。