それに対して、



「帰りたくないです」



なんて言えるわけもなく。


私は素直に



「はい...ありがとうございました」



と、頭を下げることしかできなかった。


カバンの中に荷物を詰め込んで、椅子から立つ。


すると、先生も立ち上がった。



「ちょっと遅くなっちゃったからね。

俺も下まで付いて行こうと思って」



先生ってほんとに、どこまでも優しい。


それは教師としての優しさなんだろうけど、それでも良い。


先生と一緒にいられるなら、それで良い。