「あ。で、でもっ!」
「ん?」
「榎沢先生の教え方はすごく分かりやすくて、前よりちょっと得意になったんです」
そう、これは本当のこと。
私の言葉に先生は目を丸くする。
そして、すぐに柔らかな笑顔に変わっていく。
「はは、嬉しいこと言われちゃったなぁ。
そんなこと言ってくれたら、こっちも教えがいがあるよ」
うわわわわ、やばい心臓がもたない...!
こんな素敵な笑顔を独り占めできてるなんて。
私、今死んでも後悔しないよ!!
「あ、そろそろ始めないとね」
「はいっ」
そうして、先生との二人っきりの補習が始まった。