なんて、ステキな日なんでしょう。
「神さまあ、ありがとう!」
kazukoがさ、朝ごはん作ってくれるって。
目玉焼きぐらいだよ、って言うけどよ。
何でもいいってえ、何でもお。腹がふくれれば、さあ。
いっけねえ、あいつには、ぜってえ言っちゃいけねえ言葉だぜ。
また、ふくれっ面になっちまうかも…るいや、ぜってえそうだよ。

なんてのかな、ビミョーに違うんだよな。
どこがって、うまく言えないんだけど、違うんだな。
はっきし言って、お袋の目玉焼きの方が、数倍美味い。
ひと味、なんかを付け加えてるんだろうなあ。
「愛情、ひとさじよ」っていつも言ってるけど。
「母さんの利用理は、日本一、いや世界一なんだぞ」
なんて毎日、いや毎食事ごとに、親父は言ってるよ。
なんで母親におべっかを使うかねえ。

あぁ、目が潤んできたぞ。まずいって。
「大丈夫、大丈夫だって! 十分に、美味いんだから。
お袋のは、味がさ濃いぃんだよ。な、kazukoのは、あっさり系なんだよ。
でも、ホントにうまいって」

もう、なだめるのに苦労したよ。
料理歴二十数年のお袋に、叶うわけないだろうが。
なに、対抗意識持ってんだよ。
そんなことに、女ってのはこだわるのかねえ。