バテバテだあ!
きっついぜ、こりゃ。あいつら、陸上部の連中、こんなこと毎日続けてんのか。すっげえわ、ほんとに。

いゃあ、良かった。kazukoに、
「お前ん家まで毎晩走るぞ」
なんて、言わなくて。三日坊主じゃないけど、一週間で、グロッキーだ。

「感心、感心! あたしも、付き合おうかな」
帰り際、とんでもないことを、kazukoの奴、言い出した。
知ってたんだよ、俺が毎晩kazukoん家まで走ってたの。霊感が、ひょっとしてある?
俺の呼ぶ声が聞こえたんだって。
そう言えば、最初の夜、声には出さなかったけど、“kazuko、来たぞ!”って。

結局、kazukoも走ることになった。まっ、それはそれで嬉しいんだけどよ。
kazukoの奴、
「ねえ、夜走るのはやめようよ。父さんがさ、うるさいんだよね」
って言い出して、結局昼中は暑いから、早朝になっちまった。