kazukoにそのことを言ったのよ。
「お前に、優勝の賞状をプレゼントするぜ!」
って。そしたらkazukoの奴、大笑いしやがって。
「ムリ無理! 最後まで走れるかどうか、分かったもんじゃないわよ。優勝なんて、とってもムリよ」
「なんだよ、それわぁ。ひとがやる気出してんのによぉ」
「ごめんごめん、めんごぉ! いいわ、完走したら、認めてあげる。ビリッけつでもいいから、最後まで走って。
但し、歩いたらだめよ。あたしも出るから、一緒に走ろうね」

そこまで言われちゃ、もうやるっきゃねえよ。なあに、たかだか5kmぐらいだ。なんてこと、ないわさ。
と言いつつも、全然運動してねえなんだよな。で、夜に走ることにしたわけよ。
俺ん家から大体3kmぐらいなわけだ、kazukoん家は。
そんでもって、なんかさ、kazukoが家の前で待っててさ、俺が到着すると、chu! なんて。
いいジャンか! いい、いい、これ、ぜってえ、いいって。

「これ、kazukoに預けとくわ。ズルしたくならないようにさ」
カッコつけて、車のキーを渡しちまったぜ。
「ふうん、本気なんだあ。でも、いつまで続くかな?」
鼻に小じわなんか寄せやがってえ。俺、マジだかんナ!