公園で待ち合わせをした
小坂くんの顔はこわばっていた

「母さんが死んだ」

「え…」

「俺、母さんのこと誤解してた。これみて」

≪拓也へ≫
拓也を苦しめるつもりはなかったの。
これから再婚して拓也をいい学校につれてってあげたりとかしたかったの。
けど、拓也は話を聞いてくれなかったわよね
拓也のせいにするつもりはないわ。
けど拓也を苦しめていたなら本当にごめんなさい。
あの人とも別れたわ
またあなたと生活したい
けど私は子供を殺しそうになった殺人未遂で世間には広まってるの

もう我慢できないわ
さようなら













その手紙の最後の方は字が雑になっていた

なにも言えなかった

「こんなのずるいよな」

声がかすれている
目からきれいなものが流れていった

私は抱き締めた
小坂くんは抱き返してきた

大きいけれど細く骨がごつごつしている感じで温かい

生きている



彼の苦しさをわかってあげれることはできない。


けど軽くすることはできる










「…」

「松本…」

「ん…?」

「俺、松本が好きだよ。」

ふっと山崎くんの顔が浮かんだ
「ごめん」

「いいんだよ」

抱きしめあっていったがその体は遠くなった

「帰るね」

「うん」


遠くにいってしまった気がする