「小五郎ー!チャンネル変えてもええがー?」


リビングの方から龍馬の声が聞こえる。


「勝手にして下さい。」


「いつまで敬語なんだよ。俺らは同級生だろ?」


いつの間にか高杉が僕の部屋の中に入ってきた。


「つい昔の癖で。…なんで、高杉は僕の部屋に入ってるのですか?」


「昔の癖で。」


「昔は勝手に入ってなかったですよ?」


「堅苦しいな。そういう男になったなんてあいつに会ったら嫌われるぞ。」


それだけいうと高杉は僕のいる部屋から出た。


あいつ…


高杉が言ってたあいつのことは巳甘さんの事。


昔僕を庇って死んでしまった。


願いが叶うなら真っ先に巳甘さんに会いたいと願います。


「はぁ、巳甘さん…か。生まれ変わって来ているかも分からないですし…」


僕は最後のネクタイを結び終わった頃リビングから叫び声が聞こえた。


「な、何事ですかっ?!!」


僕はブレザーを羽織って部屋を飛び出した。


「mimikaちゃんが帰国するき!!」


「な、それ本当か?龍馬!」


「ほんまじゃ!」


2人して喜ぶ。


「全く何を騒いでると思ったらそんな事ですか。」