「覚えてるんだ。」



「はい。」



「敬語はやめてよ。昔は敬語使ってなかったんだしさ。」



「分かった!」



昔とは見た目が変わっていた巳甘さん改め巳甘ちゃん。



真っ黒い長い髪に髪と同じくらい真っ黒でくりくりしている瞳。



そんな巳甘ちゃんを見ているだけで昔みたいに胸が高鳴った。



「沖田…さん?」



無意識に巳甘ちゃんを見ていたのだろう



巳甘ちゃんが僕の顔を不思議そうに眺めていた。



「なんでもないよ。さて、ここにいても仕方ないし行こうか。少しの間我慢してて。」



「きゃぁっ!」



僕は巳甘ちゃんをお姫様抱っこにした



「うわっ!」



すると足元に何かが巻きついた。



「甘味いくらなんでも巻き付いたらダメでしょ。」



僕の足に巻きついていたのは蛇だった。