「えっと…」
「何?」
「この手は?」
巳甘ちゃんは僕が繋いだ手を見せてきた
「はぐれないように。ここは広いからね。」
「大丈夫です。はぐれないように前見て歩くので。」
「じゃあ僕は走って行こうかな。」
「…意地悪」
ぷいっと僕から顔を背ける巳甘ちゃん。
なにこの可愛さ。
「じゃあ手を繋いでもいいよね?」
「うっ…。そ、それでも嫌です。もし校舎に小五郎さんがいたら……。きらわれてしまいます。」
小五郎っていま言ったよね。
巳甘ちゃんは確かにいま小五郎さんって言った。
もしかして巳甘ちゃんてって…
「桂の恋仲のあの巳甘ちゃん?」
「恋仲?随分と言い方が古いんですね。勿論ですよ。あたしは昔の小五郎さんの恋仲です。なんでそれを知ってるのです?」
「あれ?忘れちゃった?僕は昔ね新撰組1番隊組長の沖田総司だっんだよ。」
「沖田…総司……。っあ!沖田さんですか?」