「はいはい。二人ともやめなさい。通行の邪魔です。」
喧嘩になりそうな俺らを止めてくれたんは小五郎じゃった。
「それにあと少しで休憩時間が終わるのですよ。遅刻しないよう______」
小五郎が言い終わる前向こうから来る大きな足音にかき消された。
ドタドタドタドタ
「なんじゃ?」
三人は音のする方を向いた。
向こうの方からスーツを着ててメガネをかけてケータイを片手に持った男が一人走ってきた。
男は俺らを見るとこっちに向かってきた
「ねぇ、制服着ている女の子見なかった?」
「女?」
制服着ている女の子って…
巳甘しかおらんよな。
「あいつなら向こうに行ったぜよ。」
俺は巳甘が行った方向に指を差した。
「あいつ…ってことは君何か知ってるの?」
「……知ってるも何も__」
俺はそこまで言って口を閉ざした。
ここで言うたら巳甘に嘘ついとったってバレる。
なんせ今ここに小五郎がおるき。
「早く教えて?」
メガネの奥にある目が…怖いがか。
「お…お前こそあいつの誰がか?」
「誰って…こういう者なんですけど。」
男は紙を一枚俺らに見せた。
「マネージャー……吉田…棯…麿。
…ん?マネージャーって一体誰のなんじゃ。」
「誰ってmimikaっていう歌手知らない?…ってかさ、君その子の事知ってた風にいってなかったけ?」
「嘘じゃろ?あいつ…が、mimika?!」
「もしかして君前世の記憶持ってるの?」
「なんじゃあ、いきなり。そうじゃ。俺の名前は坂本龍馬ちゆうき。」
「へぇ。坂本龍馬ねぇ…。前世の巳甘の知り合いねぇ。」