ボーンボーン
深夜2時を告げる時計の音がした。
「もう、そんな時間か。」
先刻虫の息だった相手が
今では規則正しい寝息をたてていた。
包帯だらけの女の体に視線をやった。
女の体は重傷から軽傷まで様々で
手当てに大変な苦労が強いられた。
本来なら医者につれていくべきなんだが、
この街に医者はおらず行くとなると、
かなりの時間 馬車に乗らなければならない。
しかも この街に馬車は滅多に通らないので
馬車を探すにも一苦労する。
そんなことをしている間に死なれでもしたら
目覚めが悪いなんてものじゃない。
だから、この場に留まり
俺にもできる止血や傷口の消毒など
素人ながらも最善の手当てを尽くしたほうが
よいと考えた。
そして、必死に手当てをした結果、
寝息をたてられる状態にまで もっていけた。
「あー、つかれた、、、。」
身体を伸ばすと肩や腰からぱきぽきと音がして
どれだけ手当ての疲れが溜まっていたかわかる。
「さっきよりは、顔色がよくなったか。」
女の顔をじっと見る。
「まぁ 今夜付きっきりで診ておくに
越したことはないな。」
近くにあった椅子に腰かけて看病をすることにした。