あたしは首を横に振った。


「あんたとは付き合えない」


「わかってるよ、でも、最後に言いたかったんだ」


椿龍の言っている意味がわからなかった。


「どういう意味なの」


「また、転校するんだ。親父の仕事の都合でね。もう会えない」


あたしは水滴を払い、こう言った。


「文通しようよ」