「何でだろうな」


椿龍は寂しげに言った。


「雨の日は、気分が重くなるよ、本当に。俺だって普通に恋して青春して......でも、できねぇよ。今更できるわけねーよ」


「家のせいにしても、しょうがないじゃん。自分らしくすればいいだけ。家庭の事情?そんなの関係ないよ」


椿龍は空を仰いだ。


「俺は雨宮可憐が好きだ」