自分の刀を抱え話をする。


そうしていると、刀の來蘭が大丈夫といいながら抱きしめてくれている様な感覚に陥るのだ。



実際、來蘭は擬人化していないがふよふよと幽体離脱したみたく浮いて黒羽のそばにいる。


『刃物で切れて出た血は搾り取るように小さな瓶に入れられ高値で裏で取り引きされていました。



売り文句は



“此れは化け物の血、しかし、一滴飲めば病も怪我もスルリと治る”



です。



その通り私の血は病も怪我も治します。



しかしこれには条件が必要なんです…



だから普通に飲んだとしても…



気持ちの悪いだけです…』



両親にされていた仕打ちを思い出し体を震わす黒羽を抱きかかえ膝の上でギュッと抱きしめる鴨。



「安心せい。


俺らはそんなことはしない。」



「つか、やった奴ころす。」



鴨がそう言うと以蔵が今にも人を殺しそうな勢いでポツリと呟く。