「……に、あってる、よ」
言葉を途切れ途切れにそう言うと、夏希顔は一気に明るくなる。
「匠ってば、顔赤いよっ」
「うるっせぇな!!
とっとと買い物終わらせろよ!!?」
慣れてねぇ言葉。
本当は言いたくないけど、夏希が望むなら。
こんなこと思ってる時点で、俺は夏希に惚れすぎ。
「ありがとうございましたっ」
店員の明るい声に見送られ、俺たちは店を出る。
「結局、なんも買わなかったの?」
「だって、お金ないもん」
なら、なんで来るんだよ…
そう言おうとすると
「ほらっ ウィンドウショッピングって言うの? それだよ、それ!!」
夏希はえへへっと照れたようにして笑う。
…まぁ、夏希が買わないのなんていつものことだし、それわかっててついてきてる俺は、ただ休日に夏希と会いたかっただけなんだ。