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「ねぇねぇ!!
この服、可愛くない!?」
一着のワンピースを自分の体に合わせて、くるくるとまわる夏希。
「あー、可愛い可愛い」
…なんて適当に返事をすると、夏希はむぅっと頬を膨らませた。
「ちょっとー!!ひどくない?
もっと感情込めていってよ。 似合ってるよ…夏希 とか、さ」
…それって、俺の声マネ?
全然似てねー……っつーか、それ、可愛すぎだから。
似合ってるとか、夏希はどれ着ても可愛いから。
…なんて、心の中では言うけど
これを言葉にしてちゃんと言えたことなんてほとんどない。
そして、こうやって素っ気ない態度をするたびに……
「匠は、本当に私のことが好きなの?」
って
ちょっと涙目の上目遣い。
だからそれが可愛いって、分かってないわけ?