匠くんは俯いて、顔を歪めた。
「私、匠くんのこと全然知らないよ。 …全然、分からないよ
なにも言わずに突き放すのに、優しくするなんて卑怯だよ
…私が、匠くんのことを好きになっていくだけだよ」
「じゃあ!!」
急に君の出した大きな声に、ピクンと肩を揺らした。
「…俺のことを知って、なにになるって言うんだよ
なんで、あれだけ突き放しても
…好きなんて、言えるんだよ」
その様子や雰囲気はいつもとまるでちがくて。
君の心からの叫び声。
…今さらそんなことを聞くなんて、匠くんの意地悪、復活しちゃったのかな
「どんなに突き放されても、私は匠くんから離れたくないと思うから。
…匠くんが好きだから、好きって言う
匠くんが好きだから、知りたいって思う
…それじゃ、ダメなの?」