カーテンの隙間から、もれる陽射しが眩しくて、僕は目を覚ました。

同時に、現実に打ちのめされた。

もう陽司はいない。

その事実を受け止めることが出来ない。

本当は生きてるんだろ?これはドッキリで、僕をはめようとしてるだけだろ?

いくら現実逃避しても、事実は変わらない。

陽司は死んだ。死んだんだ。

もう会うことも出来ない。

飲みに行く約束してたのにな。

―…なぁ、何が悪くてこんなことになったんだ?

犯人か。

犯人が駅で刃物を持って暴れたからか?

それとも電車に乗ろうとしたから悪いのか?

犯人だよな…。こいつを憎めば陽司は成仏できるよな?

でも、もし仇を討ったら陽司は喜ぶ?

僕が犯罪者になって喜ぶわけがないよな。

問い掛けても返事なんかない。
自問自答になってしまう。
あたり前か。

陽司は死んだんだから。