幸せの絶頂だった陽司に不幸が訪れたのは、先輩と付き合い始めて二ヶ月も経った頃。

些細な喧嘩だ。

だけど歯止めがきかず、別れてしまった。

落ち込む陽司を励ますにも言葉が見つからない。
無理している笑顔が、余計に僕の口を閉ざした。

しばらくすると、僕にも彼女が出来た。

だけど陽司には言えなかった。
きっと言えば祝福してくれる。

でも、落ち込んでいる陽司に言う勇気はなかった。

隠し通せるわけもないのに。