家に帰って来て、早速準備する。

洗面台を片付けているときだ。

ーカンッ

何かが落ちた音がした。下をみると…ピアスが落ちていた。

「love…」

まだ完全に吹っ切れたとは言えない。
まだこうやって…涙が流れるから。

大好きな彼。…大好きだった、本当に。

恋ほど面倒なものはない。
言い切れるほどそう思っていたのに。


彼と私とでは時間の進み方が違う。悲しいくらい。

彼はもう、動かない。ずっとずっと、止まったままでこれからも独り…孤独に止まり続ける。