鈴蘭がみるみるうちに赤くなるのが、薄暗い中でもよくわかった。
オレ自身、一瞬で顔が熱くなったから。
「バ、バカ、ふざけんなよ、理仁!」
「ふざけてないよ~? 至って真剣な話じゃん。ねえ、師央?」
師央が笑いながらうなずいた。
「ほんとです。理仁さん、二人をくっつけてくださいね」
「もちろん!」
「ぼくも陰ながら応援しようかな」
「海牙さんも、ありがとうございます」
勝手なこと言いやがって!
オレが理仁を締め上げようと思ったとき、理仁が師央の肩を抱いた。
「元気でな、師央」
「理仁さんも、ぼくのこと、忘れないでくださいね」
「襄陽に入学してこいよ。おれ、親父を追い落として理事長になるから」