理仁が拳を開いた。朱獣珠がきらめいた。
「んじゃ、最初はおれの朱獣珠でいい? 能力もセットで消えるわけじゃん? 時間跳躍《タイムリープ》先、たぶんバトルだよね。ってことは、おれがいちばん役立たずなわけで。だって、敵は正木と世良だもんね」
鈴蘭が、ぶんぶんと首を左右に振った。
「わたしがいちばん役立たずです! わたしがみんなを時間跳躍《タイムリープ》させ……」
「スト~ップ、鈴蘭ちゃん。きみがいなきゃ、話にならないって」
「どうしてですか? わたし、足手まといですよ」
海牙が理仁の肩に手を載せた。
「ぼくも、リヒちゃんに賛成です。時間を跳んだ先に、鈴蘭さんは不可欠ですよ。傷を癒してもらわないといけないからね」
「傷を、癒す?」