するすると、謎が紐解かれていく。


時間を超えることができた理由。師央が唐突に声を失う理由。



兄貴が小さく笑った。



「余命宣告、か。おれは師央が十五歳のときに死ぬんだな? 師央を過去へ送るために」



師央が目を伏せた。


唇が動いた。


その言葉はオレにも読めた。ごめんなさい、と。



海牙が、波打つ髪を掻き上げて、襟元からペンダントを取り出した。


トップに付けられたのは、黒い宝珠だ。



「ぼくの玄獣珠です。同じように師央くん、きみも白獣珠を身に付けてますよね?」



「はい」



「そして、煥くんも」



海牙がオレを見た。