「物理学的に、分析?」
「種明かししましょうか? これがぼくの能力なんですよ。力学《physics》と名付けてます。
例えて言えば、ぼくの視界は数値と数式だらけなんです。対象物の質量、温度、動作、何もかも、ぼくは数値的に分析しながら見ています。分析をもとに自分から無駄を省くことも、トレーニングで可能になりました」
だから、なのか。
足音がない。
あの跳躍力を出せる。
完璧に攻撃を受け流せる。
人ひとり、軽く放り投げられる。
師央が海牙の左腕をつかんだ。
「その能力は、こういうこと、ですよね?」
「はい?」