「馬鹿。生徒に手は出さないよ。それに、お前の彼女なら尚更な」



先生の言葉に、私の頭の中で恋の終わりを告げるゴングが鳴り響いた。



もう、ヤダ。


わかってはいたけど、当然なんだけど。


私は先生の教え子。


何人もいる中の、一人。


恋愛対象になんて一生なれないんだ。




「それじゃ、二人ともジャージに着替えて外に集合な」



そう言って、颯爽と部室から出て行った先生。


パタン、と閉まったドアを見つめる。



苦しい、苦しい、苦しい。


好きな人に誤解されるのも、恋愛対象になれないことも、凄く辛くて悲しい。



何も望んでいなかったはずなのに、心の奥底では“願わくば”って思っていた自分に今気付いた。


私、本当は先生の一番になりたかったんだ…