ズザァー


美代が倒れた。


血を沢山、流しながら…


あたしは美代の近くに駆けつけた。


「ねぇ!!美代!!」


返事しない美代。


「美代…返事してよ!!何でよ…何で…」


まるで世界が変わるように…


「月…夜…」


美代が口を開いた。


凄く、辛そうで、かすれた声。

美代の腹にはどくどくの血が大量に流れている。


「あたし…、最初から分かってたかもしれない…、だから、かたきうてなかった…」


出来るわけない…


相手は卑怯なものを使って、人を殺してるんだ…


「でも…月夜、あ…たしが、死んでも、きっと…いや、絶対…森に来て…、そしたら…あたし、美代とまた一緒にいられるよ…、」

美代は優しく微笑んだ。


綺麗な、美しい涙を流しながら…。

「いや!!!美代…死なないで…」

「美代…月夜に会えて…よかった…」


そう言って…美代は…、静かに息を引き取った。