でも、あたし達の心を癒す、豊かな自然…。


森は、あたし達を必要とするように、囲んでいる。


決して、なくさないでいてほしい自然。


それなのに……。




―秋


「えっ…」


あたしは一瞬、呼吸を忘れた。

「税を高くあげた。今晩払え。」


いつものように、王族は来たが、税を高くあげられた。


「こんなの…払えないです!!」

あたしが勢いよく言っても、


「じゃあお前の命と交換だな」

決して変わる事のない台詞。


勢いよく戸を閉めた王族。


悔しかった。


はっきり言ってしまえば、殺したかった。


父上と母上の、たったひとつしかないかけがえのない命を、あいつ等は奪った。


目に映る命は消えたんだ…


あたしは、唇を噛み締めた。