大切な人を失った。


三人失った尊い命。


簡単に奪われた。


あたしは一人なんだ。


そして今も……


今も…



―やっと闇から抜け出した。


見た事のない、森の世界。


でもなんとなくあたしと美代が気に入ってた場所に似ている。


「月夜ちゃん…?」


あたしと似ている女の子が話しかけてきた。


「あたし、巫女ってゆうの、」

「うん、」


他愛もない会話。
あたしはショックが大きすぎて、かすれた声を出す。


その時、背後から黒い陰が…


「いらっしゃませー!!」

後ろを振り向くと珍しい服を着てる夫婦が明るく歓迎していた。

「森の楽園へようこそ♪初めてですよね?」


女の人があたし達に話しかけてきた。
あたし達は「…はい、」と答えると男の人は、「お前等はこれから世界の守護になる者か!!」
知ったげのように言っていた。


「あら!!色々あったのね、可哀想に…」