「うわぁ、ひどいっすね」
菜月はそう言ってさっき夏が巻いてくれたハンカチを取った。
「………ごめんな」
私は菜月からハンカチを受け取ると謝った。
「何がですか」
「……せっかく夏たち来てくれたのに、こんな事になって」
「もう帰った後でしたから、大丈夫ですよ」
「………痛っ」
「あ、すいません」
……こいつは。
わざと消毒液を多めにつけたな。
「…お嬢がそんなに申し訳なさそうにするなら、これで十分です」
菜月はそう言ってにこりと笑った。
……これで仕返しって事か。
私は息をもらして少し笑った。
そして菜月の頭を撫でた。