「お嬢」 廊下を歩いていたら、前から菜月に呼び止められた。 「………」 私は黙って立ち止まる。 「お嬢、手当てします」 菜月はそう言って私に笑いかけると近くの部屋へ私を誘導した。 「こちらへどうぞ」 部屋に入ると菜月は救急箱を手にして私を座らせた。