「坂 蘭」(さか らん)

と。私の名前を呼ばれて、はっと起きる。

起きたときには。

誰も教室にいない。

またねちゃったか。

私はよく寝る子。

「中学生になって。一日中寝てる人初めて見た。ブハッブッハハ」

と。誰かに笑われた。

結構なイケメン。

ってか。

失礼じゃね?

「寝てたのはその…えーと…」

と。言葉を探していた私に。

彼は。

「ぶっ。ばっかじゃねーの?」

と。しかも笑いながらいいやがった。

なんて。失礼なやつ。

「もう。帰る。」

と。私が怒ったようにいうと。

彼は。

「ばいばいっ」

って、いって微笑んでくれた。

やなやつ。

私は。そう思った。