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「そういう由宇は何して遊ぶのさ。」


俺は先ほど彼女がしていたように、コーラの中でストローをくるくる回しながら聞いた。
炭酸の気泡がゆらゆらと上っていくのを、「炭酸抜けるなあ」と頭の中で思いながら。


「あたし?あたしはカラオケ行ったりショッピング行ったり、もちろんこうやってカフェでお喋りもするよ。」


「…まあ女同士だからできることだよな。」


「なんで?男の子でもできるでしょ?」


「カラオケは出来るとしても、男と二人で買い物行って服選び合うとか無理。
カフェで喋るくらいなら、コンビニか自販機で飲み物買って、そこら辺で喋ってたほうがいい。」


「あー男の子っぽいそれ。」


「でしょ。」


また納得した彼女に俺は笑う。
自分の意見を押し付けず、相手の意見に頷くことができる彼女。
反論されるとうんざりする俺にとって、彼女のような人間は貴重だ。

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