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視界の中でにっこり笑う浩介を見て、目の奥がツンとした気がした。


「…浩介がとられたことが嫌なだけだよ。」


「うわー、愛されてるね僕。大丈夫、茜のことも大好きだから。」


「そうか。」


おどけてみせる浩介に、俺は笑って頷いた。
多分、俺の言葉が真実ではないのはわかってるだろう。
でも浩介は、笑って触れないでくれた。
それが少し嬉しくて、それが少し悔しかった。



昼休み、彼女からのメール。

『今日は雨が降るよ。』

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