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ただ、願うことは皆同じなのに。




「北沢、お前何それ。」


下駄箱に靴を突っ込んでいると、横から声をかけられた。
眠い目をこすりながら落ちそうになる靴を再度突っ込んでからそちらを向くと、田村がいた。
朝練の後だろうか、少し汗をかいてるようだ。


「おはよう田村。」


相手がわかり、名前を呼んで挨拶をする。
と、田村も「おう。」とだけ答えた。


「じゃなくて、その頭、何。」


「何って…ああ、可愛いっしょ?」


そう言って、頭のてっぺんでピョコピョコしてるものに触れてみせる。
赤いシュシュで結んだ前髪。
お陰で視界が開けて眩しくてたまらない。

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