駅員が教えてくれないのならば自力で調べて帰るしかない。

まずは改札を出てすぐに置いてある路線図を調べることにした。

この路線図も塗料が劣化して掠れ、非常に見にくい。

しかも、乗り継ぎもどこへ繋がっているのかも書いていないので、この駅周辺の駅名を把握していない私には2方向しかない路線のどちらに乗れば自分の住む街へ帰れるのかすら分からなかった。

適当に乗って、さらに離れた土地へ行くのはご免だ。

こんなに遠くに来る予定ではなかったので手持ちの金も心もとない。

土地勘のない場所で動き回るのは気が引けたが、とりあえず駅の周辺で人に聞いてみることにした。

屋根のない所に出ると、強い日差しがジリジリと肌を焦がす。日焼け止めを持って来れば良かった。こんなに強い紫外線を浴びたら随分焼けてしまうだろう。