優しげな様子からきっと立ち止まって話くらい聞いてくれるだろうと思っていた私はあまりに綺麗に無視されたために驚いてその場で固まってしまった。 見知らぬ人に話しかけられて怪訝に思われたのなら諦めた。 嫌そうな顔をされたなら落ち込みながらも仕方がないと思っただろう。 しかし、親子は何の反応もしなかった。 まるで、私など存在しないように。