「なんで黒澤といるんだよ…
俺と一緒に帰るんじゃなかったのかよ」

「え…それはリュウが電話したんじゃ…」

「ユキちゃん、それ嘘」

「リュウってこれまで呼んでたかよ。
そのキーホルダーお揃いなのかよ」

「っ…」

言い訳したかったけど言い返せなかった
全部本当のことだから
言葉より涙がでてきそうだった
リュウに任せずに電話してたら、
リュウについていかなかったら良かった
でも今日のことは楽しくて

「お前それでも彼氏?」

「は?」

「彼女泣かせて楽しいのかよ」

「こういうことにしたのは黒澤だろ」

2人で喧嘩をしはじめた
悪いのはリュウじゃない
私なのに
声が出ない
止められない

精一杯の声を振り絞ったけど
やっぱり声が小さかった

「今日は私が悪かったから
リュウは悪くないから…だから喧嘩しないでっ…」

二人は喧嘩するのをやめた
一瞬の沈黙があった

「俺、家帰るわ。ユキ後で電話するから」

「俺も帰るわ。ユキちゃんバイバイ」