「ねえ。それってどういう――」


 詳しく聞こうとした瞬間、運悪く休み時間が終了のチャイムが校内に鳴り響いたので、仕方なく自分の席につく。

 近付くなと言われるほど近付きたくなるのは、人間の性(さが)なんだろうか。それとも、幼馴染みとして心配しているから?なんにせよ、瑠珂くんに会ってみたい気持ちは確かで……。

 やっぱり、直接瑠珂くんと会ってみないと始まらないと確信した私は、次の休み時間か……はたまた放課後にでも、会いに行くことを改めて決意した。

 時は過ぎ、訪れた昼休み。

 孝くんや聖くんの目を盗み、私はそっと1年生の教室へと向かう。

 確か瑠珂くんは1組だったような……。教室にいるかな?瑠珂くん。

 1年生たちの視線を浴びながらも、1組の教室を覗き込むけど、瑠珂くんらしい姿は見当たらない……ので、仕方なくその辺りにいた女子生徒に声をかけてみた。


「あの……龍宮司瑠珂くん、いるかな?」


 瑠珂くんの名前を出した瞬間、女子生徒の顔はサァーッと青ざめていく。


「し、知らないです!ごめんなさい!」


 謝られたかと思いきや、その女子生徒は逃げるようにどこかへと走り去っていってしまった。