「いいけど……」

「……“けど”?」

「あんたが甘いものを奢ってくれるって言うなら、教えてあげてもいいよ」

「へっ……」


 あっ、甘いもの?お菓子とか?


「聖。今はふざけている場合じゃねぇだろ」

「ふざけてない。俺の活力は甘いものなんだから、これくらいはトーゼン」

「あのなぁ……!」

「分かった、分かった!今度甘いものを奢るから、教えてください!」


 このままだと、また険悪なムードになっちゃいそうだったから、私は慌てて2人の間に入り込む。


「ホントに?約束だからな?」

「うん!約束するから!」

「それじゃ、言うけどさ……」


 スッと真剣な目を私に向けた聖くんは、やがてゆっくりと口を開いた。


「もう1つの最善の処置は――あんたが、瑠珂を受け入れること」


 ……えっ?

 私が瑠珂くんを……受け、入れる?


「別の言い方をすると、あんたが瑠珂の傍に一生いる……っていうこと。おーけー?」

「一生……?」


 それって……それって、つまり!

 瑠珂くんと恋人同士になって、結婚して、死ぬまで一緒に過ごせっていうこと?!

 聖くんの言っていることをすべて理解した途端、顔がボフンと赤くなったのが分かった。